副業を本業にできるかどうかは、「どの形で始めたか」で変わります。
厚生労働省の資料では、副業・兼業の形態が3つに分けられています。企業に雇用される形/自ら起業して事業主として行う形/請負や委任の形。制度上の扱いが、それぞれ違います。
この記事の要点
- 副業には3つの形態。労働時間の通算や社会保険の扱いが変わる
- 労災は複数事業労働者として、全ての勤務先の賃金を基礎に給付される
- 政府の計画で**「合理的な理由なく制限できない」**方向が明確化されている
⚠️ 本記事は公表情報にもとづく一般的な解説であり、法的助言ではありません。個別の事案は労働基準監督署や専門家にご確認ください。
まず、自分がどの形かを確認する
公式の定義はこうです。
副業・兼業を行うということは、二つ以上の仕事を掛け持つことをここでは想定しています。副業・兼業は、企業に雇用される形で行うもの(正社員、パート・アルバイトなど)、自ら起業して事業主として行うもの、コンサルタントとして請負や委任といった形で行うものなど、さまざまな形態があります。
AI関連の副業だと、こう分かれます。
| 形態 | AI副業の例 |
|---|---|
| 雇用される形 | 他社にパート・アルバイトとして勤務 |
| 自ら起業して事業主 | 個人事業主として開業し、AI導入支援などを行う |
| 請負・委任の形 | 業務委託で記事作成、設計、研修などを受託 |
多くの人は2番目か3番目だと思います。この違いが、本業に切り替えるときの手続きを変えます。
🔍 編集部の本音 「副業」という一語でまとめると見落とすのですが、雇われて働くのと、業務委託を受けるのは、制度上まったく別の話です。労働時間が通算されるのか、労災はどうなるのか、社会保険はどうなるのか——全部この分岐から始まります。 自分がどれなのかを、まず確認してください。
会社は副業を止められるのか
方向性は明確になっています。
**平成29年3月28日に働き方改革実現会議で決定された「働き方改革実行計画」**に、こう記載されています。
労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業の普及促進を図る。
就業規則等において本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は、合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化する
「制限できない」という方向が、政府の計画で示されています。
ただし、これは法律の条文ではありません。 実際の可否は勤務先の就業規則によります。そして例外も明記されています——本業への労務提供、事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合です。
なお、副業・兼業を始める前に労働者がすべきこととして「届出」が挙げられています。 黙って始めてよいという話ではありません。
副業・兼業の促進に関するガイドラインは、平成30年1月に策定され、令和2年9月と令和4年7月に改定されています。
副業中に守られること
労災保険の制度が改正されています。 これは副業をする人にとって大きい話です。
| 改正内容 |
|---|
| 複数事業労働者への保険給付が、全ての働いている会社の賃金額を基礎に支払われる |
| 複数の会社等の業務上の負荷(労働時間やストレス等)を総合的に評価して、労災認定の判断をする |
1つ目は補償額の話です。 副業先で事故に遭ったとき、副業先の賃金だけを基礎にすると補償が小さくなります。改正後は、本業と副業の両方の賃金が基礎になります。
2つ目は認定の話です。 「本業だけを見れば過重ではない」という判断ではなく、複数社の負荷を合わせて評価されます。
なお、この制度改正はメリット制に影響しないとされています。
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公式ページには、労働者が押さえるべき項目が並んでいます。 本記事では各項目の詳細まで確認していないため、存在する論点として示します。
| 論点 | なぜ確認が要るか |
|---|---|
| 労働時間の通算 | 雇用される形で副業する場合、労働基準法にもとづき労働時間が通算される |
| 管理モデル | 簡便な労働時間管理の方法として用意されている |
| 健康管理 | 長時間労働を招かないための仕組み |
| 雇用保険 | 加入の扱いが変わる可能性 |
| 社会保険 | 同上 |
| 確定申告 | 収入の区分によって手続きが変わる |
特に「労働時間の通算」は、雇用される形の副業に効きます。 事業主や請負の形なら通算の対象になりませんが、代わりにフリーランスとしての制度が関わってきます(AIフリーランスの始め方)。
各制度の詳細は、必ず公式または専門家にご確認ください。
切り替えの判断軸
制度の話とは別に、実務的な判断です。
| 確認すること | 目安 |
|---|---|
| 収入の継続性 | 単発ではなく、繰り返し依頼が来ているか |
| 依頼元の数 | 1社に依存していないか(切られたら終わる) |
| 単価の妥当性 | AI人材の年収は?も参考に |
| 説明できる実績 | 職務経歴書の書き方の形で書けるか |
| 社会保険の空白 | 切り替え時期の手続き |
| 生活の見通し | 収入が途切れた場合 |
2つ目が特に重要だと思います。 1社からの依頼だけで本業化すると、実質的にその会社の従業員に近い状態になります。それなら雇用のほうが安定します。
そして焦る必要はありません。 副業のまま続けながら判断できるのが、この働き方の利点です。副業の実態はAI副業の現実、社内で経験を積む道は社内でAI推進役になる方法にまとめています。
FAQ
Q. 会社に副業を禁止されています。 A. 働き方改革実行計画では「合理的な理由なく副業・兼業を制限できない」ことをルールとして明確化する方向が示されています。 ただし本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等は例外とされています。実際の可否は就業規則によるため、まず自社の規定を確認してください。
Q. 副業を始めるとき、会社に言う必要がありますか? A. 公式ページには、**副業・兼業を始める前に労働者がすべきこととして「届出」**が挙げられています。勤務先のルールを確認してください。
Q. 副業先で怪我をしたら補償はどうなりますか? A. 複数事業労働者への保険給付は、全ての働いている会社の賃金額を基礎に支払われるよう改正されています。また複数社の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定が判断されます。
Q. 労働時間はどう計算されますか? A. 雇用される形で副業する場合、労働基準法にもとづき労働時間が通算されます。 簡便な方法として管理モデルも用意されています。詳細は公式でご確認ください。
Q. 業務委託の副業でも労働時間は通算されますか? A. 通算の仕組みは、雇用される働き方を前提としたものです。 事業主や請負・委任の形は扱いが異なります。この場合はフリーランスとしての制度が関わります。
Q. いつ本業に切り替えるべきですか? A. 依頼元が1社に集中していないかを先に確認してください。1社依存のまま独立すると、そこが止まった時点で収入が消えます。繰り返し依頼が複数から来ていることが、ひとつの目安になると思います。
Q. 中立の立場で「本業にしないほうがいい」と言うこともありますか? A. あります。副業のまま続けられるなら、そのほうがリスクは小さいです。当サイトは転職エージェントもスクールも運営しておらず、提携の有無で評価を変えていません。急いで切り替える理由がないなら、急がなくていいと思います。
まとめ
- 副業の形態は雇用される形/自ら起業/請負・委任の3つ。制度上の扱いが違う
- 政府の計画で**「合理的な理由なく制限できない」**方向が明確化されている(例外あり)
- **副業を始める前の「届出」**が労働者のすべきこととして挙げられている
- 労災は複数事業労働者として、全勤務先の賃金を基礎に給付。負荷も総合評価
- 雇用される形では労働時間が通算される(管理モデルという簡便な方法もある)
- 切り替えの判断は依頼元が1社に集中していないかから
- ガイドラインは平成30年策定、令和2年・令和4年に改定
次に読む:AI副業の現実/AIフリーランスの始め方
※本記事は2026年8月13日時点の公表情報にもとづく一般的な解説であり、法的助言ではありません。個別の事案については労働基準監督署や専門家へご相談ください。
出典
- 厚生労働省「副業・兼業と労働条件|しっかり学ぼう!働くときの基礎知識|確かめよう労働条件」(2026年8月13日確認)
最終更新:2026年8月13日/fondantAI編集部
