在職中でも、教育訓練給付は使えます。
公式の支給対象者を見ると、最初に挙げられているのが在職者です。
(1) 雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者等 受講開始日に、雇用保険に加入していた期間が3年以上
離職者は(2)として、その後に挙げられています。 制度上、在職者が例外なのではなく、むしろ標準の対象です。
この記事の要点
- **在職者が支給対象の(1)**として挙げられている
- 支給要件に事業主の同意・証明の記載はない
- 効いてくるのは要件でなく手続きの回数
⚠️ 以下は2026年8月14日にハローワークインターネットサービスで確認した内容です。個別の可否は、管轄のハローワークに確認してください。
在職者の要件
| 専門実践 | 特定一般 | |
|---|---|---|
| 対象 | 雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者等 | 同左 |
| 加入期間 | 3年以上 | 3年以上 |
| 初めて受給する場合 | 2年以上 | 1年以上 |
| 前回受給からの間隔 | 受講開始日の前日から3年以内に受給していると支給されない | 同左 |
初回の緩和が効きます。 教育訓練給付を一度も使ったことがなければ、専門実践で2年、特定一般で1年の加入期間で対象になります。
条件の全パターンは教育訓練給付金の受給条件にまとめています。
会社の同意は要件に挙げられていない
公式の支給対象者の記載に、事業主の同意・証明・推薦に関する項目はありません。
要件として挙げられているのは、雇用保険の被保険者であることと加入期間、そして過去の受給からの間隔です。
ただし、この記事では「会社に知られない」と断定はしません。 記載がないことと、実際の運用で通知が一切ないことは別だからです。気になる場合は、管轄のハローワークに直接確認してください。
確実に言えるのは、支給を受けるために会社の許可を取る手続きは、公式の要件に含まれていないということです。
在職中に効いてくるのは「手続きの回数」
要件よりも、実務で負担になるのはこちらです。
専門実践教育訓練の場合
| タイミング | やること | 期限 |
|---|---|---|
| 受講前 | 訓練前キャリアコンサルティング → ジョブ・カードの交付 → ハローワークで受給資格確認 | 受講開始日の2週間前まで |
| 受講中 | 支給申請 | 年2回、半期ごと(6か月ごとの期間の末日から1か月以内) |
| 修了時 | 修了分の申請 | 修了日の翌日から1か月以内 |
| 資格取得・就職後 | 70%分の申請 | 資格取得または就職した日のいずれか遅い日から1か月以内 |
| 賃金上昇後 | 80%分の申請 | 同じく1年以内 |
受講中の申請が、年2回あります。 1年の講座なら2回、2年なら4回。その都度、期限が1か月と短い点に注意してください。
特定一般教育訓練の場合
| タイミング | やること | 期限 |
|---|---|---|
| 受講前 | 訓練前キャリアコンサルティング → 受給資格確認 | 受講開始日の2週間前まで |
| 修了後 | 支給申請 | 修了日の翌日から1か月以内 |
| 資格取得・就職後 | 50%分の申請 | いずれか遅い日から1か月以内 |
専門実践より回数は少なくなります。
一般教育訓練の場合
事前手続きが不要な代わりに、修了後の申請忘れに注意が必要です。 制度別の手順は給付金の申請手順にまとめています。
🔍 編集部の本音 在職中に給付金を使うときの本当の壁は、要件でも会社との関係でもなく、期限の管理だと思います。専門実践は受講中も半期ごとに申請があり、期限は1か月。仕事が忙しい時期と重なると、普通に忘れます。 受講を決めた時点で、申請期限をカレンダーに全部入れてしまうのがいちばん確実です。
職場に伝えるかどうか
制度の話とは切り離して、3つの観点で考えてください。
①就業規則を確認する
- 副業・兼業に関する規定(学ぶだけなら通常は該当しませんが、実務を伴う場合は確認が必要です)
- 自己啓発に関する届出の有無
- 資格取得の報告義務があるか
規定は企業ごとに異なります。 就業規則を確認してください。
②会社の費用補助と併用できるか
会社が受講料を補助している場合、給付金と重複する部分の扱いが問題になります。
- 会社の制度上、給付金の受給を前提としているか
- 補助を受けたうえで給付金も受け取れるか
- 税務上の扱い(会社から補てんされた部分は、確定申告の特定支出控除から除かれます)
この点は会社の担当部署に確認する必要があります。
③勤務時間との関係
- 平日の手続き(受給資格確認、半期ごとの申請)が発生する
- 通学制の場合、受講時間の確保
- 訓練前キャリアコンサルティングの日程
通信制・オンラインを選べば、受講そのものは勤務時間に影響しません。 ただし手続きは残ります。
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次に当てはまるなら、先に相談したほうが結果的に楽になります。
- 会社に費用補助の制度がある(併用の可否を確認できる)
- 業務に直接関係する内容(理解を得やすく、業務時間の調整もしやすい)
- 資格取得後に業務に活かす予定がある
- 通学のため定時退社が必要になる
逆に、転職を前提としている場合は、判断が変わります。 そこは各自の状況によります。
退職を挟む場合
受講中に退職する可能性がある場合、注意点があります。
- 離職者として受給する場合、資格喪失日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内という要件があります
- 受講開始時点の状態で判断されるため、受講開始後の退職と、受講前の退職では扱いが変わります
- 専門実践では、離職者向けの上乗せ制度(教育訓練支援給付金)が別にあります
在職・離職をまたぐケースは条件が複雑になります。 受講を決める前に、管轄のハローワークで自分の状況を伝えて確認してください。
FAQ
Q. 在職中でも教育訓練給付は使えますか?
A. 使えます。 公式の支給対象者では、在職者(雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者等)が(1)として最初に挙げられています。
Q. 会社の許可や証明は必要ですか?
A. 公式の支給要件に、事業主の同意・証明・推薦は挙げられていません。 要件は雇用保険の加入期間と過去の受給からの間隔です。ただし記載がないことと運用上の扱いは別のため、気になる場合は管轄のハローワークに確認してください。
Q. 会社に知られますか?
A. この記事では断定しません。 支給要件に事業主が関与する項目はありませんが、通知の有無について公式に明記された記載を確認できていないためです。ハローワークに直接確認することをおすすめします。
Q. 在職中でいちばん大変なのは何ですか?
A. 期限の管理です。 専門実践は受講中も半期ごとに申請があり、それぞれ期限が1か月と短くなっています。受講を決めた時点で、全ての申請期限をカレンダーに入れておくことをおすすめします。
Q. 会社から受講料の補助が出ていても使えますか?
A. 会社の制度によります。 併用の可否は勤務先に確認してください。なお税務上は、会社から補てんされた部分は確定申告の特定支出控除から除かれます。
Q. 受講中に転職したらどうなりますか?
A. 在職・離職をまたぐケースは条件が複雑になります。 受講開始時点の状態で判断される部分と、離職後の期間に関する要件があります。事前に管轄のハローワークで確認してください。
まとめ
- 在職者は支給対象の(1)。 例外ではなく標準の対象
- 加入期間は3年以上(初めて受給する場合、専門実践2年・特定一般1年)
- 支給要件に事業主の同意・証明は挙げられていない(ただし断定はせず、ハローワークで確認を)
- 本当の負担は手続きの回数。 専門実践は受講中も半期ごとに申請があり、期限は各1か月
- 職場に伝えるかは就業規則・費用補助・勤務時間の3観点で判断する
- 在職・離職をまたぐ場合は要件が複雑。 事前に確認する
制度全体の地図は教育訓練給付金の全体マップ、専門実践の詳細は専門実践教育訓練給付金、支給の時期は給付金はいつ振り込まれる?、AI講座で使う場合は教育訓練給付金でAI講座を受ける方法にまとめています。
