Claudeのメモリは、会話をまたいであなたの仕事の文脈を覚えておく機能です。 毎回「私は◯◯の仕事をしていて」から説明し直す必要がなくなります。
ただし、設定画面の場所が人によって違います。そして会話を削除しても、そこから作られたメモリは消えません。この2つを知らないまま使うと、あとで戸惑います。
この記事の要点
- プロジェクトごとにメモリが分かれる。仕事が混ざらない
- 止め方は2つ。一時停止(戻せる)とリセット(取り消せない)
- 会話を消しても、メモリのエントリは残る
まず、自分の画面がどちらか確かめる
公式が冒頭で案内しているとおり、いまメモリの体験は新旧2つが並行しています。
| 設定画面の見え方 | どちらか |
|---|---|
| Settings > Memory がある | 新しい体験(この記事の内容が当てはまります) |
| Settings > Capabilities の中に Memory がある | レガシー体験 |
新体験は、free・Pro・Maxプランの利用者に順次移行されています。 新規ユーザーは新体験が既定です。一方、TeamとEnterpriseプランは当面レガシー体験のままとされています。
手順を調べても画面と合わないときは、たいていこれが理由です。 レガシー体験の方は、公式ヘルプの該当セクションを参照してください。
2つの機能を分けて理解する
「メモリ」と一括りにされがちですが、公式は2つに分けて説明しています。
| 機能 | 何をするか | 対象プラン |
|---|---|---|
| 過去チャットの検索 | 頼めば以前の会話を探して参照する | 有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise) |
| メモリ | 頼まなくても文脈を覚えて使う | free・Pro・Max(新体験) |
前者は「探しに行く」、後者は「覚えている」。 別物です。
過去チャットの検索
「前に話した◯◯って何だっけ」と聞けば、Claudeが過去の会話を探して答えます。公式によれば、この検索は RAG(検索拡張生成) を使っていて、会話の中でツール呼び出しとして表示されます。何をしたかが見える形です。
検索できる範囲は決まっています。
- プロジェクトの外にあるすべてのチャット
- 個々のプロジェクトの会話(検索はそのプロジェクト内に限定されます)
既定で有効です。止めたい場合は Settings > Memory の「Search and reference chats」をオフにします。
なお、Enterpriseプランで顧客管理の暗号鍵を使っている組織では、会話が暗号化されているため過去チャットの検索は使えません。
メモリの仕組み
Claudeはメモリを、個別のエントリの集まりとして作り、カテゴリに整理します。
更新のタイミングが特徴的です。 1日1回まとめて処理するのではなく、チャットしている最中にリアルタイムで読み書き・更新されます。
プロジェクトごとに分かれる
ここは実務でかなり効きます。
公式によれば、各プロジェクトが独立したメモリ空間と、専用のプロジェクト要約を持ちます。他のプロジェクトとも、プロジェクト外のチャットとも分離されます。
A社の案件で話した内容が、B社の案件の会話に混ざらないということです。複数の顧客を担当している人ほど、この設計はありがたいはずです。プロジェクト機能そのものはClaudeのプロジェクト機能とは?へ。
何を覚えるのか
公式が挙げているのは、仕事に関する文脈です。
- 役割・プロジェクト・職業上の文脈
- コミュニケーションの好みと働き方
- 技術的な好み・コーディングスタイル
- プロジェクトの詳細と進行中の作業
雑談や私生活の細部を覚えにいく設計ではありません。 「仕事の相棒として使いやすくする」ための情報に絞られています。
有効にする・止める
有効にする
Settings > Memory で「Generate memory from chats」をオンにします。
Enterpriseプランの方は注意してください。 組織のOwnerが有効化している場合にのみ、個人で有効にできます。
止め方は2つある
トグルを切ると、選択肢が2つ出ます。ここを取り違えると取り返しがつきません。
| 選択肢 | 何が起きるか | 戻せるか |
|---|---|---|
| Pause memory(一時停止) | 既存のメモリは保持。使わないし、新しく作らない | 戻せる |
| Reset memory(リセット) | プロジェクトメモリを含むすべてを完全削除 | 取り消せない |
一時停止についてもう一点。 停止していた間の会話は、あとで機能を戻しても、さかのぼってメモリに要約されることはありません。「一時的に切っておいて、後でまとめて覚えさせる」はできない、ということです。
PR・おすすめValue AI Writer byGMO高品質なSEO記事を生成するAIライティングツール。公式サイトを見る🔍 編集部の本音 迷ったら Pause です。Reset は「全部やり直す」ボタンで、プロジェクトごとに貯めた文脈もまとめて消えます。個別のエントリだけ消す方法があるので(後述)、全消しが必要な場面はそう多くありません。
覚えさせたくないときは
シークレットチャットを使う
全プラン(free・Pro・Max・Team・Enterprise)で使えます。
プロジェクトの外で新しいチャットを始めると、画面の右上にゴーストのアイコンが出ます。これをクリックするとシークレットチャットになります。
- メモリに保存されない
- チャット履歴にも保存されない
- 過去チャットの検索でも参照されない
通常に戻したいときは、そのシークレットチャットを閉じてください。
ただし、会社のアカウントでは例外があります。 公式に、EnterpriseまたはTeamプランでは、シークレットチャットも標準のデータエクスポートに含まれ、組織のデータ保持ポリシーに従うと明記されています。「シークレット=会社からも見えない」ではありません。
社内情報を入れてよいかの判断軸はAIに社内情報を入れていい?にまとめています。
覚えた内容を見る・直す・消す
Settings > Memory を開くと、Claudeが覚えていることが全部、カテゴリ別に並んでいます。
| やりたいこと | 操作 |
|---|---|
| 中身を見る | エントリを選ぶと要約と詳細が表示される |
| 直す | 「Tell Claude what to change or remove」ボックスに書く |
| 消す | 「Delete」を選ぶ |
チャットの中から直接更新することもできます。 「これを覚えておいて」「さっきの前提は忘れて」と伝えれば、会話を離れずに更新されます。編集は次の会話からすぐ反映されます。
また、Claudeが過去の会話を参照したときは、元のチャットへのリンク付きの引用が表示されます。そこからその会話を削除することもできます。
いちばん大事な注意
会話を削除しても、そこから作られたメモリのエントリは消えません。
公式にこう書かれています。メモリは既存のチャットデータ保持ポリシーに従って保持され、会話が期限切れになったり削除されたりしても、関連するメモリのエントリは削除されない——ただし、個別のメモリはいつでも削除できる。
つまり、「あの会話を消したから大丈夫」は成り立ちません。 消したいものがあるなら、Settings > Memory から該当のエントリを直接消してください。
そして、すべてのメモリデータはデータエクスポートに含まれます。Enterpriseのデータ保持ポリシーは、シークレットチャットを含むメモリ関連データすべてに適用されます。
ChatGPTのメモリとの違い
| 特徴 | |
|---|---|
| Claude | プロジェクトごとにメモリが分離。止め方が一時停止/リセットの2択 |
| ChatGPT | 会話をまたいで記憶。設定から管理 |
仕事を並行して持っている人には、プロジェクト単位で分かれるClaudeの設計が合いやすいと思います。
なお、Claudeと他のAIサービスの間でメモリを移す機能(インポート/エクスポート)もありますが、公式は実験的で開発中としています。
FAQ
Q. 無料プランでも使えますか? A. 新しいメモリ体験は free・Pro・Max が対象です。ただし過去チャットの検索は有料プランのみ(Pro・Max・Team・Enterprise)です。
Q. 設定画面に Memory が見当たりません。 A. Settings > Capabilities の中にある場合はレガシー体験です。Team・Enterpriseプランは当面そちらに留め置かれています。
Q. 一時停止とリセットはどう違いますか? A. 一時停止は既存のメモリを保持して使わないだけ。リセットはプロジェクトメモリを含めて完全削除で、取り消せません。
Q. 会話を削除すればメモリも消えますか? A. 消えません。 会話が削除されても、そこから生成されたメモリのエントリは残ります。Settings > Memory から個別に削除してください。
Q. 仕事ごとに情報を分けられますか? A. できます。各プロジェクトが独立したメモリ空間を持ち、他のプロジェクトや通常のチャットとは分離されます。
Q. 覚えさせたくない会話があります。 A. シークレットチャット(ゴーストアイコン)を使ってください。メモリにも履歴にも残らず、検索でも参照されません。ただしTeam・Enterpriseでは組織のデータ保持ポリシーが適用されます。
Q. Coworkでも使えますか? A. 新しいメモリ体験は、現時点ではCoworkでは利用できません。web・デスクトップ・モバイルのチャットが対象です。
まとめ
- 機能は2つ。過去チャットの検索(有料)とメモリ(free・Pro・Max)
- Settings > Memory があれば新体験、Capabilities の中ならレガシー
- プロジェクトごとにメモリが独立。案件が混ざらない
- 止め方は一時停止(戻せる)とリセット(取り消せない)
- 覚えさせたくない会話はシークレットチャット(会社アカウントは保持ポリシーに注意)
- 会話を消してもメモリは残る。 消すなら Settings > Memory から個別に
次に読む:Claudeでできること全ガイド/事務職の仕事はAIでなくなる?
※機能・提供範囲は変更されることがあります。最新の情報はAnthropicの公式ヘルプでご確認ください。
出典
最終更新:2026年8月12日/fondantAI編集部
