伸びた投稿を分析しても、次は再現できません。

理由は単純で、伸びた要因が投稿内容とは限らないからです。時間帯、その日の話題、たまたま大きなアカウントに拾われた——1本の投稿からは、要因を切り分けられません。

分析が意味を持つのは、複数の投稿を横に並べたときです。

この記事の要点

  • 1本の分析では再現できない。横に並べる
  • 見る指標は目的で決める(いいねは目的とほぼ無関係)
  • AIに因果を推測させない

見る指標を目的で決める

目的見る指標見なくていい指標
認知を広げたいリーチ・表示回数いいね
興味を持たれたい保存・シェアいいね
行動してほしいプロフィール遷移・リンククリックいいね・表示回数
関係を作りたい返信・DM表示回数

「いいね」は、どの目的とも直接つながりません。 押すコストが最も低い反応だからです。

保存が効くのは、「後で見返す価値がある」と判断された証拠だからです。プロフィール遷移は、「この人が何者か知りたい」という行動です。目的が明確なら、見るべき数字は自然に決まります。

⚠️ 指標の名称と仕様はプラットフォームごとに違い、変更もあります。この記事では名称の定義に立ち入らず、考え方だけを扱います。

横に並べて比較する

分析の単位は、1本ではなく複数本です。

以下は直近20投稿のデータです。次を出してください。

1. 保存率(保存÷リーチ)が高い上位5投稿と、低い下位5投稿
2. 上位と下位で、**投稿の形式に違いがあるか**(文字数、画像の有無、投稿時間、話題)
3. 違いが見られなかった項目

■条件:
- **なぜ伸びたかの推測は書かないでください**
- 数字から言える事実だけを挙げてください
- サンプル数が少なく判断できない項目は、そう明記してください

[データを貼る]

「なぜ伸びたかの推測は書かないでください」を必ず入れてください。

入れないと、AIは必ず理由を答えます。 「共感を呼ぶ内容だったため」「タイトルが的確だったため」——もっともらしいが、根拠のない説明です(ハルシネーションとは?)。

3番目の「違いが見られなかった項目」も有用です。 「投稿時間による差はなかった」と分かれば、その変数は当面気にしなくてよくなります。

仮説は自分で立てて、検証する

分析で分かるのは、傾向までです。

手順は3段階になります。

  1. 横に並べて、差がある項目を見つける(AI)
  2. 仮説を立てる(人)
  3. 仮説に沿って、投稿を変えて試す(人)

2番目を飛ばして「AIが言った理由」を採用すると、検証にならないまま次に進むことになります。

仮説の検証の設計

次の仮説を検証したいです。検証の設計を提案してください。

■仮説:[例:手順を番号で示した投稿は、保存率が高い]
■条件:
- 何本投稿すれば判断できそうか
- 他に揃えるべき条件(時間帯、形式など)
- **この設計では判断できないこと**

3番目が重要です。 SNSは変数が多く、厳密な検証はできません。**「この設計では、〇〇の影響は排除できない」**という限界を先に知っておくと、結果を過信せずに済みます。

🔍 編集部の本音 SNSの分析でいちばん不毛なのは、バズった1本を分析して「これが勝ちパターンだ」と結論を出すことだと思います。次に同じことをやっても、たいてい伸びません。再現できるのは「大きく外さない形」までで、バズは制御できない。 そこを分けて考えると、数字を見るのが楽になります。

コメントの分類

数字より、コメントのほうが情報量があります。

アンケートの自由記述と同じで、分類を先に決めないでください。

以下はコメントです。まず分類を作ってください。

- 分類は5〜8個
- こちらから分類は指定しません
- 各分類に代表的なコメントを2つ引用してください
- **肯定・否定でなく、内容で分類してください**

[コメントを貼る]

「肯定・否定でなく内容で」が要点です。

肯定/否定で分けると、「褒められた」「批判された」しか分かりません。 内容で分けると、**「使い方が分からない」「価格が気になる」「別の用途に使いたい」**といった、次の打ち手につながる分類が出てきます。

PR・おすすめValue AI Writer byGMO高品質なSEO記事を生成するAIライティングツール。公式サイトを見る

数字から言えないこと

AIに集計させたあと、必ずこれを聞いてください。

上の分析について、次を挙げてください。

1. **数字から確実に言えること**
2. **数字だけでは言えないこと**
3. サンプル数から見て、判断を保留すべき項目

2番目の代表例

  • なぜ伸びたか(相関は見えても因果は分からない)
  • フォロワーが何を求めているか(数字は結果であって理由ではない)
  • 投稿しなかった場合どうなったか(比較対象がない)

この3つを混同した報告は、社内でよく見かけます。

数値の扱い方全般はAIでデータ分析する方法、CSVを直接読ませる方法はChatGPTのデータ分析機能にまとめています。

分析を投稿に戻す

分析の目的は、次の投稿を変えることです。

分かったこと次の一手
保存率が高い形式があるその形式を増やす
プロフィール遷移が少ない投稿内で誘導を入れる
特定の話題でコメントが増えるその話題を掘る
差が見つからない変数を変えて試す(形式・時間・長さ)

4行目も結果です。 「今のやり方の範囲では差が出ない」と分かったら、範囲の外を試すことになります。

投稿の作り方はAIでSNS投稿を作る方法にまとめています。

FAQ

Q. 伸びた投稿を分析すれば、次も伸びますか?

A. 1本の分析からは再現できません。 伸びた要因は投稿内容以外(時間帯、その日の話題、拡散のきっかけ)にもあり、切り分けられないためです。複数の投稿を横に並べて、傾向を見てください。

Q. どの数字を見ればいいですか?

A. 目的で決まります。 認知ならリーチ、興味なら保存・シェア、行動ならプロフィール遷移やリンククリックです。「いいね」はどの目的とも直接つながりません(押すコストが最も低いため)。

Q. AIに「なぜ伸びたか」を聞いてもいいですか?

A. 答えは返ってきますが、根拠はありません。 プロンプトに「なぜ伸びたかの推測は書かないでください」と入れて、数字から言える事実だけを出させてください。仮説は自分で立てて、検証してください。

Q. コメントの分析はどうすればいいですか?

A. 肯定・否定でなく、内容で分類してください。 分類は先に決めず、コメントから作らせます。「使い方が分からない」「価格が気になる」といった、打ち手につながる分類が出てきます。

Q. 何本くらいのデータが必要ですか?

A. 分析の目的によります。 ただし、サンプル数が少ない状態での判断は避けてください。AIに「サンプル数から見て判断を保留すべき項目」を挙げさせると、過信を防げます。

Q. 数字が伸びません。何が悪いのですか?

A. 数字からは「何が悪いか」は出てきません。 分かるのは「どの指標が低いか」までです。理由はコメントや直接の反応から拾うか、仮説を立てて検証する必要があります。

まとめ

  • 1本の分析では再現できない。 複数投稿を横に並べる
  • 指標は目的で決める。 認知=リーチ、興味=保存、行動=プロフィール遷移
  • 「いいね」はどの目的とも直接つながらない
  • プロンプトに**「なぜ伸びたかの推測は書かない」**を入れる
  • 仮説は人が立て、投稿を変えて検証する
  • コメントは肯定否定でなく内容で分類。分類は先に決めない
  • 数字から言えないこと(なぜ伸びたか・何を求めているか)を混同しない

投稿の作り方はAIでSNS投稿を作る方法、広報の仕事全体の変化は広報・PRの仕事はAIでどう変わる?にまとめています。