企画・コンサル職は、AIでリサーチや資料作成が一気に速くなります。ただし「何を課題とするか」「どの案を選ぶか」という核心は、人に残ります。 むしろ作業が速くなるほど、課題設定の鋭さやオリジナルの洞察といった”差がつく部分”の重要性が上がります。この記事では、企画・コンサルのどの工程がAIに向き、どこが残るのか、そしてAIを武器にする使い方を整理します。
この記事の要点
- AIが速くするのはリサーチ・情報整理・資料のたたき台・仮説の壁打ち
- 人に残るのは課題設定・意思決定・対人の合意形成・独自の洞察
- 速くなるほど**「良い問いを立てられるか」で差がつく**
企画・コンサルの工程を分解する
企画・コンサルの仕事を工程に分けると、AIの効き方がはっきりします。
| 工程 | AIの効き方 |
|---|---|
| リサーチ・情報収集 | ◎ 大量の情報を素早く集め、要点を整理できる |
| 情報の構造化・仮説出し | ○ たたき台や切り口を出す壁打ち相手になる |
| 資料・提案書の作成 | ◎ 構成案・ドラフト・図の下案づくりが速い |
| 課題設定(何を解くか) | △ 人の役割。AIは与えた枠の中でしか考えない |
| 意思決定・優先順位づけ | △ 責任を伴う判断は人 |
| 対人の合意形成・提案 | ✕ 信頼と交渉は人にしかできない |
つまり、手を動かす前半はAIで加速でき、価値を決める後半は人に残るという構図です。
AIに任せられる作業
- リサーチ:市場・競合・事例の情報収集と要点整理。全体像の”当たり”を素早くつける
- 情報の整理:集めた情報を表やフレームに落とし込む下ごしらえ
- 仮説の壁打ち:「この切り口は?」「反論は?」とぶつけて考えを広げる相手にする
- 資料作成:提案書の構成案、スライドのドラフト、説明文の言い換え
これらは「AIにたたき台を作らせて、人が磨く」使い方と相性抜群です。ゼロから作る時間が消えるのが大きい。
AIに置き換わりにくい部分
- 課題設定:「本当に解くべき問いは何か」を見抜くこと。AIは与えられた枠内でしか考えず、枠そのものを疑うのは人の仕事
- 意思決定:複数の案から、責任を持って一つを選ぶこと
- 独自の洞察:現場を見て、人に会って得た一次情報からしか生まれない気づき
- 対人の合意形成:関係者の利害を読み、信頼を得て、提案を通すこと
AIは平均的で”それらしい”答えを速く出しますが、だからこそ誰が使っても似た答えになりやすい。差をつけるのは、良い問いと独自の視点です。
AIを武器にする使い方
- 前半を圧縮して、後半に時間を回す:リサーチと資料作成をAIに任せ、空いた時間を課題設定と洞察に使う
- 壁打ち相手として使う:一人で悩まず、仮説や反論をAIにぶつけて思考を広げる
- うのみにしない:AIのリサーチには誤り(ハルシネーション=もっともらしい嘘)が混じります。出典を聞き返し、重要な事実は一次情報で確認する
- 一次情報を自分で取りにいく:AIが書けないのは、現場で見聞きした生の情報。ここが提案の説得力になります
指示の精度を上げるほど成果が安定します。基本はプロンプトの基本を参考に。
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発想を崩す
【テーマ】の施策案を10個出してください。 条件:似た方向が3つ以上続かない/「予算ゼロなら」「逆に絶対やってはいけない案」も混ぜる。
案の弱点を先に潰す
この企画案の弱点を5つ挙げてください。 それぞれ、決裁者がどう突っ込んでくるかも添えてください。 【企画案を貼る】
論点を構造化する
次の議論を、決まったこと/決まらなかったこと/持ち帰りの3つに整理してください。 発言の順番ではなく、論点ごとにまとめてください。
資料の粒度を相手に合わせる
この説明を、【相手:現場の担当者/役員】向けに書き直してください。 この人が知りたいのは【何か】という前提で。
2つ目が効きます。 自分では気づけない穴を、遠慮なく突いてくれる相手として使うのが、企画職にとってのAIのいちばんの価値です。
AIに決めさせてはいけないこと
- 実現可能性:自社の人員・予算・体制をAIは知りません
- 社内が通るか:組織の力学は外から見えません
- 過去に試して失敗したか:経緯はAIの知るところではありません
AIは選択肢を並べる係まで。 決めるのは人です。アイデア出しの詳しい手順はAIでアイデア出し・ブレストする方法にまとめています。
FAQ
Q. 企画・コンサル職はAIでなくなりますか? A. リサーチや資料作成といった作業は大きく圧縮されますが、課題設定・意思決定・対人の価値は残ります。作業が速くなるぶん、良い問いを立てられる人の価値はむしろ上がります。
Q. AIのリサーチはそのまま提案に使えますか? A. たたき台としては有効ですが、そのままは危険です。誤った情報が混じることがあるため、重要な事実は一次情報で裏を取り、独自の視点を足してから提案に使ってください。
Q. 何から使い始めるといいですか? A. まずはリサーチの要点整理と、資料の構成案づくりからがおすすめです。効果を実感しやすく、失敗しても被害が小さい工程です。
まとめ
- AIは企画・コンサルの前半(リサーチ・整理・資料)を大きく加速する
- 課題設定・意思決定・洞察・対人は人に残り、速くなるほど差がつく
- うのみにせず一次情報で確認し、独自の視点を足すのが武器になる
学ぶ順番に迷う人は生成AIは独学で足りる?判定ガイドを、ツール選びはAIツールの選び方を参考にしてください。
最終更新:2026年7月25日/fondantAI編集部
