画像から文字を取り出す方法は、大きく2つに分かれます。 文字をそのまま取り出す変換(OCR)と、中身を読んで整理させるAI。目的が違うので、選び方も変わります。
そしてGoogleドライブのOCRには、公式が推奨条件を数値で示しています。 2MB以下、文字の高さは10ピクセル以上。 うまくいかない原因は、たいていこのどちらかです。
この記事の要点
- 変換は2MB以下・文字の高さ10ピクセル以上が推奨
- 表・リスト・脚注は検出されない可能性がある
- 正確に取り出すなら変換、中身を扱うならAI
⚠️ 以下のGoogleドライブに関する記載は、2026年8月14日に公式ヘルプで確認した内容です。同ページには、AI技術による翻訳を含む場合がある旨の表示があります。
まず、音声の文字起こしとは別の話です
「文字起こし」という言葉が2つの意味で使われています。
| どちら | 元になるもの | この記事の対象 |
|---|---|---|
| 画像・PDFからの文字起こし | 写真、スキャン、PDF | こちら |
| 音声からの文字起こし | 会議の録音、動画 | AIで議事録を作る方法で扱っています |
2つのやり方の違い
| 変換(OCR) | AIに読ませる | |
|---|---|---|
| 何をする | 画像の中の文字をテキストとして取り出す | 画像を見て内容を説明・要約・整理する |
| 得意 | 原文をそのまま残す | 表をまとめ直す、要点を抜く、翻訳する |
| 苦手 | 意味の解釈、体裁の再構成 | 一字一句の正確さの保証 |
| 向く場面 | 契約書・請求書・議事メモをそのままテキスト化 | 資料の中身を理解したいとき |
この区別が曖昧なまま使うと、期待とずれます。 「原文どおりに欲しい」のにAIに要約されたり、「要点だけ知りたい」のに全文が出てきたりする原因はここです。
Googleドライブで変換する
追加のツールを入れずにできる方法です。
手順
- パソコンで Googleドライブにアクセスする
- ファイルを右クリックする
- [アプリで開く] → [Googleドキュメント] をクリックする
これだけです。画像やPDFがGoogleドキュメントとして開き、中の文字がテキストになっています。
公式が挙げている推奨条件
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 形式 | PDF(マルチページ)または写真ファイル(.jpeg、.png、.gif) |
| ファイルサイズ | 2MB以下 |
| 解像度 | テキストの高さが10ピクセル以上 |
| 向き | ドキュメントが正しい向きであること(傾いていたら回転させてからアップロード) |
| フォント | Arial や Times New Roman などの一般的なフォント |
| 画質 | 明るさが均一で、コントラストがはっきりしたシャープな画像 |
スマホで撮った写真がうまくいかない理由は、だいたいこの表の中にあります。 高画質で撮ると2MBを超えますし、斜めから撮ると向きの条件を外れます。
言語は自動で検出されます。 対応言語の一覧は非常に長く、日本語も含まれています。
何が残り、何が落ちるか
ここを知らないと、変換後に無駄な手戻りが発生します。
公式は、はっきり2つに分けて書いています。
| 内容 | |
|---|---|
| 通常は保持される | 太字、斜体、フォントサイズ、フォントタイプ、改行 |
| 検出されない可能性がある | リスト、表、列、脚注、巻末の注 |
表が崩れるのは、仕様として想定されている範囲です。 公式は「画像ファイルは変換されますが、形式は転送されません」と明記しています。
つまり、表が主役の資料をOCRにかけて、そのまま使おうとするのは筋が悪いということになります。数値だけ取り出して自分で組み直すか、次に説明するAI側に回すほうが速くなります。
🔍 編集部の本音 OCRの失敗を「精度が悪い」で片付けてしまう人が多いのですが、多くは条件を外しているだけです。2MBを超えた写真、斜めから撮ったスキャン、装飾フォントの見出し。撮り直しに1分かけるほうが、出力を直すより速い。 そして表組みは、最初から「崩れる前提」で扱うのが正解です。
AIに読ませる場合
生成AIに画像を渡して、中身を扱わせる方法です。
得意なのは、次のような作業になります。
- 写真の中の表を、整理し直して出す
- 手書きのメモから要点だけを抜く
- 外国語の看板や資料を読んで訳す
- 図やグラフを説明させる
注意点が2つあります。
1つ目は、対応形式やサイズの上限が変わることです。 各社とも仕様の変更が頻繁で、公式ヘルプにも具体的な数値が書かれていない場合があります。大きなファイルを扱う前に、自分が使っているサービスの現在の条件を確認してください。関連する話はChatGPTにファイルを読ませる方法とAIに長い資料を読ませるコツで扱っています。
2つ目は、正確さの保証がないことです。 AIは読み取れなかった部分をもっともらしく埋めることがあります。金額・日付・固有名詞は、必ず元の画像と突き合わせてください。仕組みはハルシネーションとは?で解説しています。
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| やりたいこと | 向いている方法 |
|---|---|
| 契約書・請求書を原文どおりテキストにしたい | 変換(Googleドライブ) |
| 紙の資料を検索できるようにしたい | 変換 |
| 写真の表を整理し直してほしい | AI |
| 手書きメモから要点だけほしい | AI |
| 外国語の資料を読んで訳してほしい | AI |
| 大量のページを機械的に処理したい | 変換(PDFのマルチページに対応) |
併用が現実的な場面も多いです。 まず変換でテキストにして、そのテキストをAIに渡して整理させる。この順番なら、原文が手元に残ったまま、要約も得られます。
精度を上げるコツ
公式の推奨条件を、撮影・準備の手順に落とすとこうなります。
- 正面から、真っすぐ撮る(傾きは事前に回転させて直す)
- 明るさを均一にする(影が落ちている部分は読み取りにくくなります)
- コントラストをはっきりさせる(薄い印字は濃度を上げる)
- サイズを2MB以下に落とす(高画質のままだと超えます)
- ただし文字は小さくしすぎない(文字の高さ10ピクセル以上が目安)
- 装飾フォントの資料は期待しすぎない(一般的なフォントが推奨されています)
4と5は逆方向の条件です。 縮小しすぎると文字が潰れます。**「2MBに収まる範囲で、できるだけ大きく」**が実務的な着地点になります。
注意しておくこと
- 機密情報を含む画像をクラウドに上げる判断は、先に済ませておいてください。 社外秘の資料、個人情報を含む書類は、社内の取り扱いルールの確認が先です
- 出力は必ず元と突き合わせる。 特に数字と固有名詞。OCRもAIも、似た文字を取り違えます
- 表・リスト・脚注は落ちる前提で扱う(公式に「検出されない可能性がある」と書かれています)
- ファイルを開くだけで元のファイルが変わるわけではありません。 変換結果は新しいGoogleドキュメントとして作られます
FAQ
Q. 無料で画像から文字起こしできますか?
A. Googleドライブの変換機能が使えます。 ファイルを右クリックして [アプリで開く] → [Googleドキュメント] を選ぶだけです。追加のソフトは要りません。
Q. うまく変換できません。何が原因ですか?
A. 公式の推奨条件を外している可能性が高いです。2MBを超えていないか、文字の高さが10ピクセル以上あるか、向きが正しいか、明るさとコントラストが十分かを確認してください。
Q. 表はきれいに取り出せますか?
A. 公式は「リスト、表、列、脚注、巻末の注などは検出されない可能性がある」と明記しています。 表が主役の資料は、崩れる前提で扱うか、AI側に整理させるほうが現実的です。
Q. PDFも変換できますか?
A. できます。 公式の対象は「PDF(マルチページ ドキュメント)または写真ファイル(.jpeg、.png、.gif)」です。
Q. 日本語の書類でも使えますか?
A. 使えます。 Googleドライブは言語を自動で検出し、対応言語の一覧には日本語が含まれています。
Q. 手書きの文字は読めますか?
A. 公式の推奨は「Arial や Times New Roman などの一般的なフォント」で、手書きは前提とされていません。手書きメモは、AIに読ませて要点を出させるほうが現実的です。ただし読み違いは起きるため、元と突き合わせてください。
まとめ
- 文字を正確に取り出すなら変換(OCR)、中身を扱うならAI。 目的で分ける
- Googleドライブなら右クリック3手順。 推奨は2MB以下・文字の高さ10ピクセル以上
- 保持されるのは太字・斜体・フォント・改行。 表・リスト・脚注は検出されない可能性がある
- 先に変換して、そのテキストをAIに渡す併用が実務的
- 数字と固有名詞は必ず元と突き合わせる
読み込ませる資料の種類ごとの扱いは読み込める資料の種類、事務仕事での使いどころは事務職はAIでどう変わる?にまとめました。
