Excel作業でAIを使うコツは、「関数を覚える」のをやめて、「やりたいことを日本語で伝える」ことです。
そして今は、やり方が2つあります。
| 経路 | 中身 |
|---|---|
| ①聞いて、自分でやる | AIに関数や手順を教わり、自分でExcelに入力する |
| ②直接やってもらう | ExcelにAIを組み込み、ブックを直接編集させる |
この記事の要点
- ①はどのAIでもできる。②はライセンスが要る
- 数式が動かない原因は5つに決まっている
- 検算は「合計・件数・最大最小」の3点
①聞いて、自分でやる
いちばん手軽で、どのAIでもできます。
これまでExcelは「関数を知らないと使えない」ものでした。AIを使うと、「やりたいこと」を伝えれば関数や手順を教えてもらえるので、暗記の必要が減ります。
そのまま使えるプロンプト
関数を作ってもらう
Excelで、A列に日付、B列に金額が入っています。
月ごとの合計を出す関数を教えてください。
初心者にもわかるように、式の意味も説明してください。
集計・分析の方法を聞く
Excelで、部署別・月別の売上を集計したいです。
ピボットテーブルの作り方を、手順を追って教えてください。
グラフ化の相談
月ごとの売上推移を折れ線グラフにしたいです。
どのグラフが適切か、作り方の手順を教えてください。
エラーの解決
Excelで「#REF!」というエラーが出ました。
考えられる原因と直し方を教えてください。
プロンプトの基本はプロンプトの基本(型と例)にまとめています。
精度を上げる伝え方
「A列」「B2から」のように、セルの位置を具体的に伝えてください。
さらに効くのが、表の構造だけを渡す方法です。
次のような表です。1行目が見出しです。 A列:日付(2026/4/1 形式) B列:部署名(文字列・全10種類) C列:金額(数値・小数なし) D列:備考(空白の行あり) データは2行目から約1,200行あります。
実際の数字を渡さなくても、この情報だけで正しい式が返ります。 機密の心配がなくなるので、業務データを扱うときの基本にしてください。
②直接やってもらう
Excelの中にAIを組み込むと、ブックを直接編集させられます。
- ExcelのCopilot:編集・計画・チャットの3モードがある
- ClaudeのMicrosoft 365連携:セル単位の引用つきで回答する
どちらもライセンスが必要です。 詳細と条件は、それぞれの記事と公式でご確認ください。
②を使うときの鉄則
自動でブックが書き換わるので、指示に必ず入れてください。
新しいシートを作って、そこに出力してください。 元のシートは変更しないでください。
これだけで、事故の大半は防げます。 重要なブックは、コピーで試してから本番に使ってください。
数式が動かない5つの原因
「教えてもらった関数を入れたのに動かない」——原因はたいてい次の5つです。
①相対参照と絶対参照
式を下にコピーしたら結果がおかしくなる場合、参照がずれています。
固定したい範囲には $ が要ります($B$2:$B$100 のように)。
AIに伝えるとき:「この式を下方向にコピーします。固定すべき範囲に $ を付けてください」
②日付が文字列になっている
見た目は日付でも、中身が文字列だと、日付として計算できません。
見分け方:セルを選んだとき、右寄せなら数値・日付、左寄せなら文字列です。
③見えない空白
全角スペース、末尾の半角スペースが入っていると、一致しないため VLOOKUP などが失敗します。
「〜が見つかりません」系のエラーは、まずこれを疑ってください。
④結合セル
結合されたセルがあると、多くの関数と並べ替えが正しく動きません。
集計に使う表では、結合を解除するのが基本です。
⑤表記ゆれ
「株式会社A」「(株)A」「A株式会社」が混在していると、別のものとして集計されます。
AIに聞くべきこと:「この列の表記ゆれを見つけて、統一の候補を挙げてください」
——この5つを先に確認すると、「AIが間違えた」と思っていた問題の多くが解決します。
検算のしかた
AIが出した結果は、必ず自分で確かめてください。手順は決まっています。
| 確認項目 | やり方 |
|---|---|
| 合計 | 別の方法(SUMやステータスバー)で足し直す |
| 件数 | 元データの行数と、集計後の件数が合うか |
| 最大・最小 | 極端な値が入っていないか |
この3点が合っていれば、大きな間違いはほぼありません。
加えて、数式が入っているかも確認してください。値だけが入っていると、元データを変えても再計算されません。セルをクリックして、数式バーを見るだけです。
データ分析全体の考え方はAIでデータ分析する方法にまとめています。
PR・おすすめValue AI Writer byGMO高品質なSEO記事を生成するAIライティングツール。公式サイトを見る機密データの扱い
実際の売上データをAIに貼ってよいかは、職場のルールが優先です。
渡さずに済ませる方法:
- 表の構造だけ伝える(前述のとおり、これでほぼ足ります)
- 社名を「A社」「B社」に置き換える
- 金額の桁を保って丸める(「1,234,567円」→「約120万円」)
- 数行だけダミーデータにして渡す
「その情報がなくても、欲しい答えは得られるか」で判断してください。 関数の作り方を聞くのに、実際の取引先名は要りません。
マクロ・VBAを頼む場合
簡単なものは作れますが、注意点があります。
- 必ずコピーしたファイルで試す(マクロの操作は元に戻せないことがあります)
- 何をするコードか、説明させてから実行する
- ファイルを削除・上書きする処理は、特に慎重に
「動いた」と「正しい」は別です。 重要な作業では、処理前のバックアップを取ってください。
FAQ
Q. Excelが全然わからなくても使えますか? A. 使えます。「何がしたいか」を日本語で言えれば、AIが手順を教えてくれます。まずやりたいことを言葉にしてみてください。
Q. AIが教えてくれた関数が動きません。 A. 参照のずれ・日付が文字列・見えない空白・結合セル・表記ゆれの5つを確認してください。この5つで大半が解決します。
Q. データを貼らずに相談できますか? A. できます。表の構造(列と型と行数)だけ伝えれば、正しい式が返ります。業務データではこちらを基本にしてください。
Q. Excelの中で直接作業させられますか? A. できます。ExcelのCopilotやClaudeのMicrosoft 365連携が該当します。いずれもライセンスが必要です。
Q. 直接編集させるとき、元データが心配です。 A. 指示に「新しいシートを作って」「元のシートは変更しないで」を入れてください。重要なブックはコピーで試してから使います。
Q. 検算はどこを見ればいいですか? A. 合計・件数・最大最小の3点です。加えて、数式が入っているか(値だけでないか)を確認してください。
Q. マクロやVBAも作れますか? A. 簡単なものは作れます。ただしコピーしたファイルで試し、何をするコードか説明させてから実行してください。
まとめ
- 関数を覚えるより「やりたいことを日本語で伝える」
- 経路は2つ:聞いて自分でやる(どのAIでも可)/直接やってもらう(ライセンスが要る)
- 表の構造だけ伝えれば、実データを渡さずに済む
- 動かない原因は「参照・日付・空白・結合セル・表記ゆれ」の5つ
- 直接編集させるなら「新しいシートに」「元データは変更しない」
- 検算は「合計・件数・最大最小」+数式が入っているか
次に読む:プロンプトの基本(型と例)/ExcelのCopilotの使い方/事務職の仕事とAI
※AIツールの機能・ライセンス条件は製品により異なり、変更されることがあります。機密データの取り扱いは所属先のルールに従ってください。
出典
- AIでのExcel活用に関する一般的な公開情報
最終更新:2026年7月26日/fondantAI編集部
