議事録ツールを比較する前に、確認することがあります。いま使っている会議ツールで足りないか、です。
Teams、Zoom、Google Meet——多くの会議ツールに、録音・文字起こし・要約の機能があります。 追加のツールを入れる前に、すでに契約しているものの機能を確認してください。
新しいツールを増やすと、録音データの保管場所も増えます。
この記事の要点
- まず既存の会議ツールを確認する
- 決め手は機能でなく録音方式・保存場所・同意
- 話者の識別ができないと議事録にならない
⚠️ この記事では、個別ツールの機能比較表を載せていません。各社の仕様・料金は変動が速く、記事に転記すると古くなるためです。 選定の条件を示し、実際の可否は各公式で確認する形にしています。
比較の前に決める5つの条件
機能の一覧を見比べても、決まりません。 先にこの5つを決めてください。
| # | 条件 | 決めること |
|---|---|---|
| ① | 録音の方式 | 会議ツールに参加させるか、端末で録音するか、対面会議もあるか |
| ② | 話者の識別 | 誰が言ったかを残す必要があるか |
| ③ | 保存場所 | 音声とテキストがどこに保存されるか。社内の要件を満たすか |
| ④ | 同意の運用 | 録音することを、どう伝えて、どう記録するか |
| ⑤ | 既存ツールとの重複 | いま使っているもので足りないか |
③と④が、実際には最も導入を左右します。 機能が優れていても、この2つが通らなければ使えません。
①録音の方式
会議の形式によって、必要なものが変わります。
| 会議の形式 | 必要な方式 |
|---|---|
| オンライン会議のみ | 会議ツールの機能、または会議に参加するボット |
| 対面会議がある | 端末のマイクで録音できること |
| ハイブリッド | 両方。マイクの拾い方が問題になります |
| 電話・訪問 | 端末録音。相手の同意が特に重要 |
ハイブリッド会議が最も難しくなります。 会議室にいる人の声を1本のマイクで拾うと、遠い席の発言が落ちます。
この場合、ツールの精度より、マイクの配置のほうが効きます。
②話者の識別
文字起こしができても、誰が言ったか分からなければ議事録になりません。
確認すべき点
- 話者を自動で分離できるか
- 話者に名前を割り当てられるか(「話者1」のままでは使えません)
- オンライン参加者と会議室の同席者を区別できるか
- 後から話者を修正できるか
3番目が、ハイブリッド会議での弱点になりやすい部分です。 会議室の複数人が1つのマイクを共有していると、分離が難しくなります。
決定事項の記録に「誰が決めたか」が必要な会議では、この機能の有無が導入可否を分けます。
③保存場所
音声データとテキストがどこに置かれるかは、機能の話でなく管理の話です。
- 保存先(サービスのクラウドか、自社のストレージか)
- 保存期間と削除の方法
- アクセスできる人の範囲
- 退職者のデータの扱い
- 学習に使われないか(社内情報を学習させない設定)
会議の録音には、人事の話、取引先の情報、未発表の計画が含まれます。 一般的な業務データより機微度が高くなります。
組織で導入する場合の確認項目は社内でAIツールを導入するときの選定チェックリストにまとめています。
④同意の運用
ツールを選ぶ前に、運用を決めてください。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 誰に伝えるか | 社内のみか、社外の参加者も含むか |
| いつ伝えるか | 会議の案内時か、開始時か |
| どう記録するか | 議事録に「録音した」旨を残すか |
| 断られた場合 | 録音せずに進める手順があるか |
4番目が抜けがちです。 「録音しないでほしい」と言われたときの進め方を決めておかないと、その場で困ります。
法的な要件については、社内規程と相手方との取り決めを確認してください。 この記事では立ち入りません。
PR・おすすめValue AI Writer byGMO高品質なSEO記事を生成するAIライティングツール。公式サイトを見る⑤既存ツールとの重複
新しいツールを検討する前に、これを確認してください。
- いま使っている会議ツールに、録音・文字起こし・要約の機能があるか
- 契約しているプランで使えるか
- 使えるのに、知られていないだけではないか
「機能はあるが、有効化されていない」ことは珍しくありません。 管理者側の設定で止まっている場合があります。
Teamsでの会議要約はTeamsのCopilotで会議を要約する方法にまとめています。
🔍 編集部の本音 議事録ツールの比較記事は世の中に大量にありますが、実際に選定が止まるのは機能の差ではありません。 「録音データがどこに置かれるか」で情報システム部門に止められ、「相手方の同意をどう取るか」で営業部門に止められる。先にこの2つを片付けてから比較したほうが、結果的に速いと思います。
精度への期待値
どのツールを選んでも、次は起こります。
- 専門用語・社内用語・固有名詞の誤変換
- 同音異義語の取り違え
- 早口・かぶった発言の欠落
- 要約での重要度の取り違え(雑談が要点として拾われる)
対策は、ツールの変更より運用側にあります。
- 用語集を登録できるツールなら、社内用語を先に登録する
- 決定事項は、会議の最後に口頭で確認する(そこが明瞭に録音されます)
- 要約は、必ず人が確認してから配布する
特に3番目です。 決定していないことが「決定」として要約されることがあります(ハルシネーションとは?)。
試すときの手順
- 既存ツールの機能を確認する
- 保存場所と同意の運用を先に決める
- 候補を2つに絞る(機能ではなく、2と③の条件で)
- 同じ会議を両方で記録して比べる(同条件でないと比較になりません)
- 話者識別と固有名詞の精度を確認する
- 要約の質は、自分たちの会議で判断する(デモ音声では分かりません)
4番目が要点です。 別の会議で試しても、条件が違うため比較になりません。
FAQ
Q. どのAI議事録ツールがおすすめですか?
A. この記事では個別ツールを推奨していません。 各社の仕様・料金は変動が速く、実際の選定を左右するのは録音方式・保存場所・同意の運用といった前提条件だからです。まずいま使っている会議ツールで足りないかを確認してください。
Q. 何から確認すればいいですか?
A. 既存の会議ツールの機能です。 Teams、Zoom、Google Meetなどに録音・文字起こし・要約の機能があり、契約中のプランで使える場合があります。管理者側の設定で無効になっているだけのこともあります。
Q. 対面の会議でも使えますか?
A. 端末のマイクで録音できるツールが必要です。 ハイブリッド会議では、会議室の複数人が1つのマイクを共有するため、話者の分離が難しくなります。この場合、ツールの精度よりマイクの配置が効きます。
Q. 誰が発言したかは分かりますか?
A. ツールによります。 話者の自動分離、名前の割り当て、後からの修正が可能かを確認してください。「話者1」のままでは議事録として使えません。
Q. 録音の同意はどうすればいいですか?
A. ツール選定より先に運用を決めてください。 誰に・いつ伝えるか、議事録にどう記録するか、断られた場合にどう進めるか。法的な要件は社内規程と相手方との取り決めを確認してください。
Q. 精度が高いツールを選べば大丈夫ですか?
A. どのツールでも誤変換と要約の取り違えは起こります。 社内用語の登録、会議の最後に決定事項を口頭で確認すること、要約を人が確認してから配布すること——運用側の対策のほうが効きます。
まとめ
- まず既存の会議ツールを確認する。 機能があるのに使われていない場合がある
- 決め手は機能でなく①録音方式 ②話者の識別 ③保存場所 ④同意の運用 ⑤既存との重複
- ③と④が導入の可否を実際に左右する
- 話者が分からない文字起こしは議事録にならない
- どのツールでも誤変換は起こる。 用語登録・口頭確認・人による確認で対処する
- 試すときは同じ会議を両方で記録して比べる
議事録作成の手順そのものはAIで議事録を作る方法、ツール全般の選び方はAIツールの選び方にまとめています。
