AIで資料を作るコツは、「いきなりスライドを作らせず、まず構成を固める」ことです。
目的を伝えずに「資料を作って」と頼むと、的外れなものが出てきます。正しい順番は3ステップです。
この記事の要点
- 構成 → 肉付け → 仕上げの順。逆にすると作り直しになる
- 構成の欠陥は「見出しだけ並べて読む」で9割見つかる
- AI資料には必ず出る弱点が3つある
ステップ1:構成案を作る
最初にやるのは、スライドを作ることではなく構成(骨組み)をAIと固めることです。
あなたは資料作成が得意です。次の資料の構成案を作ってください。
- 目的:(例:新サービスの社内提案)
- 相手:(例:部長クラス、時間がない)
- 伝えたい結論:(例:この施策に予算をつけてほしい)
- 枚数の目安:(例:10枚程度)
各ページの見出しと、そこで伝える要点を箇条書きで示してください。
構成が固まれば、資料の8割は決まったも同然です。
自分の構成を叩かせる
すでに構成がある場合は、作らせるより「壊させる」ほうが速く進みます。
次は私が作った資料の構成案です。この構成の弱いところを3つ挙げてください。 特に「この順番で聞いて納得できるか」「抜けている論点はないか」を見てください。 直し方の案も添えてください。
自分の構成の穴は、自分では見えません。 ここはAIの得意分野です。
構成を検査する:見出しだけ読む
この記事でいちばん使ってほしい方法です。
構成案ができたら、見出しだけを縦に並べて、上から読んでください。
現状の課題 市場動向について 弊社の取り組み 施策のご提案 まとめ
これで話が通じますか。 通じないなら、資料も通じません。
良い構成は、見出しを読むだけで筋が通ります。
問い合わせ対応に月120時間かかっている 内訳の7割は同じ3つの質問 この3つを自動応答にすれば月80時間削減できる 初期費用は◯◯万円、6か月で回収 来月から2か月の試験導入を承認してほしい
違いは「見出しに中身があるか」です。
「〜について」「〜の現状」で終わる見出しは、何も言っていません。 AIに直させるときは、こう頼みます。
各ページの見出しを、「〜について」ではなく、そのページで言いたい結論の一文にしてください。
この1行で、資料の質がはっきり変わります。
ステップ2:各ページを肉付けする
構成に沿って、ページごとに中身を作らせます。
「(ページの見出し)」のページの内容を作ってください。
箇条書きで3〜4点、1行は短く。
専門用語は避け、部長にも一目で伝わるようにしてください。
一度に全部を頼むより、ページ単位で作るほうが精度が安定します。
相手別の型
「相手」の伝え方で、出てくるものが変わります。
| 相手 | 添える指示 |
|---|---|
| 時間がない上司 | 「1ページ目で結論と依頼事項を言い切る」「詳細は後半に回す」 |
| 初見の顧客 | 「前提知識ゼロで読める」「専門用語は使うたびに言い換える」 |
| 技術がわかる相手 | 「根拠と数字を優先」「情緒的な表現は削る」 |
| 決裁者 | 「費用・期間・リスク・代替案を必ず入れる」 |
最後の行が効きます。 決裁者が知りたいのは魅力ではなく、判断に必要な材料です。
ステップ3:人が仕上げる
AIが作ったたたき台を、人が仕上げます。ここが最も大切です。
- 事実・数字を確認する:AIはもっともらしい誤りを混ぜることがあります。自社のデータで裏を取る
- 独自の中身を足す:自社ならではの事例・強み・具体策はAIには作れません。ここが資料の価値になります
- ストーリーを整える:ページのつながりが自然か、結論に向かっているかを人が確認する
AI資料に必ず出る3つの弱点
そのまま使うと、読み手に「AIで作ったな」と伝わります。理由は次の3つです。
①総論的で、当たり障りがない
「重要です」「注目されています」「取り組みが求められます」——誰にも反論されないが、誰も動かない文章です。
直し方:
この資料から、当たり障りのない表現を削ってください。 「重要」「注目」「求められる」といった言葉を使わずに書き直してください。
②どこかで見た構成になる
「現状 → 課題 → 解決策 → まとめ」——間違ってはいませんが、印象に残りません。
直し方: 1ページ目を変えてください。
1ページ目を、相手がいちばん驚く事実から始める形に変えてください。
驚く事実が無いなら、そもそも提案の根拠が弱い——という診断にもなります。
③具体が入っていない
AIは、あなたの会社のことを知りません。 だから具体が書けません。
直し方は、AIに頼むことではありません。 次の3つを自分で足してください。
- 実際の数字(自社の実績・コスト・期間)
- 実際の事例(誰が、いつ、何をして、どうなったか)
- 実際の名前(部署名・担当・システム名)
この3つが入った瞬間、資料は「その会社のもの」になります。
ファイルとして直接作らせる
構成と中身が固まったら、ファイルにする経路もあります。
- Claudeのファイル作成:PowerPointやWordを会話から作れます
- PowerPointのCopilot:Word文書からの変換や、テンプレートに沿った生成ができます
- GeminiのCanvas:作った文書を別形式に展開できます
それぞれ必要な条件が異なります。 詳細は各記事と公式でご確認ください。
ただし順番は変わりません。 構成が固まっていないままファイルにすると、直す手間が増えるだけです。
注意点
- 数字・事実は必ず検証:提案資料に誤った数字が入ると信頼を失います
- 機密情報の扱い:社外秘のデータを入力してよいかは職場のルールを確認
- 社名は置き換えられる:「A社」にすれば、多くの相談は成立します
- AI任せにしない:構成と仕上げに人が関わるほど、資料の質は上がります
プロンプトの基本はプロンプトの基本、使い始めはChatGPTを仕事で使い始める方法、企画職での使い方は企画・コンサル職の仕事とAIにまとめています。
FAQ
Q. スライドのデザインまで作れますか? A. 文章・構成はAIが得意です。デザインはツールにより対応が異なるため、まず中身をAIで固め、見た目は資料ソフトで整えるのが確実です。
Q. 構成が良いか判断できません。 A. 見出しだけを縦に並べて読んでください。 それで話が通じなければ、資料も通じません。「〜について」で終わる見出しは書き直しの合図です。
Q. AIが作った資料はそのまま使えますか? A. たたき台としては優秀ですが、事実確認と独自の中身の追加が前提です。そのままは避けてください。
Q. AIっぽさを消すには? A. ①当たり障りのない表現を削る ②1ページ目を変える ③自社の数字・事例・名前を入れる——特に③が効きます。
Q. すでにある構成を見てもらえますか? A. できます。**「この構成の弱いところを3つ挙げて」**と頼んでください。作らせるより速く進みます。
Q. ファイルまで作らせられますか? A. できます。ただし構成が固まってからにしてください。順番を飛ばすと直す手間が増えます。
Q. どんな資料に向いていますか? A. 提案書・報告書・説明資料など、構成が決まったビジネス資料と相性が良いです。
まとめ
- いきなりスライドを作らせず、まず構成をAIと固める
- 見出しだけ並べて読む。 通じなければ資料も通じない
- 見出しは「〜について」でなく「言いたい結論の一文」に
- 相手が決裁者なら「費用・期間・リスク・代替案」を必ず入れる
- AI資料の弱点は「総論的・既視感・具体がない」の3つ
- 自社の数字・事例・名前を入れた瞬間に、資料は自社のものになる
- ファイル化は構成が固まってから
次に読む:プロンプトの基本/AIでプレゼン資料を作る方法/ClaudeでExcel・PowerPointを作る方法
※AIツールの機能・ライセンス条件は製品により異なり、変更されることがあります。機密情報の取り扱いは所属先のルールに従ってください。
出典
- AIでの資料作成に関する一般的な公開情報
最終更新:2026年7月26日/fondantAI編集部
