Claudeは、Excel・PowerPoint・Word・Outlookの中に組み込んで使えます。 アドインとして入れると、ファイルを開いたまま、その画面の中でClaudeに作業を頼めます。
いちばん効くのは、アプリをまたいだ作業です。公式の例では、Excelのデータを分析して、その結果でPowerPointの資料を作る——これをコピー&ペーストなしでできる、と説明されています。
この記事の要点
- 対応は有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)
- アプリをまたぐ設定は、Pro/Maxがデフォルトでオン、Team/Enterpriseがデフォルトでオフ
- 開いているファイルしか扱えない。ここを知らずに導入すると期待がずれる
Excelでできること
公式に挙げられているのは次のとおりです。
| できること | 中身 |
|---|---|
| 質問に答える | ワークブックについての質問に、セル単位の引用付きで回答 |
| 前提値の更新 | 数式の依存関係を保ったまま値を変更 |
| エラーの調査 | エラーの原因を特定する |
| モデルの構築 | 新規作成、既存テンプレートへの記入 |
| 複数タブの横断 | 複雑なワークブックを行き来する |
| コネクタ | 他ツールの情報をスプレッドシートに持ち込む |
注目すべきは「セル単位の引用」と「数式の依存関係を保つ」の2つです。
回答の根拠がどのセルなのか分かるので、検算の手間が減ります。また、値を書き換えても数式の関係が壊れません。公式では、変更はすべて説明付きでハイライトされるとされています。
頼み方の例
公式に挙げられている例です。
第3四半期の売上予測を動かしている前提は何ですか?
成長率を2%上げて、ターミナルバリューへの影響を示してください
「何が入っているか」と「変えたらどうなるか」——この2つが得意分野です。
PowerPointでできること
| できること | 中身 |
|---|---|
| テンプレート準拠のスライド作成 | 既存のテンプレート(レイアウト・フォント・色)を使う |
| 一部だけの編集 | デッキ全体を作り直さずに特定のスライドを直す |
| 構成の生成 | 説明からデッキ全体の骨組みを作る |
| 図表化 | 箇条書きを図解やネイティブのPowerPointグラフに変換 |
| 反復 | 書式とテンプレートの規則を保ったまま修正する |
「テンプレートを守る」という点が、この機能の要です。 公式には、スライドマスターから正しいレイアウト・フォント・色を読み取って生成すると書かれています。
会社や顧客のテンプレートがある現場では、ここが実務的に効きます。生成されたグラフがネイティブ形式なので、あとから自分で編集できるのも実用的です。
頼み方の例
市場規模のセクションを作ってください。TAM・SAM・SOMの3枚で、それぞれ図を添えて
このスライドの文章を簡潔にしてください
4〜7枚目のストーリーを組み直してください
「1枚だけ直す」が言えるのが、通常の生成AIとの違いです。
アプリをまたいで作業させる
ここがこの連携の本命です。
公式には、Claudeが1つのアプリから読み取って、別のアプリに書き込めると説明されています。アプリを切り替えて毎回説明し直す必要がありません。
挙げられている例:
- Excelのモデルの数値を、PowerPointのスライドやWordのメモに引く
- PowerPointのグラフを、Excelの最新の数字で更新する
- プレゼンの内容を読み取って、スプレッドシートに反映する
- Wordの文書を、PowerPointのスライドに要約する
- Excelのデータを使って、Wordのメモを起草する
- Outlookのメールとスレッド全体(添付を含む)を開く
さらに、文脈が引き継がれます。 Excelで財務モデルを作っていて「サマリーのデッキを作って」と頼むと、モデルの構造と主要な出力をすでに理解しているため、説明し直す必要がありません。
設定の初期値に注意
ここが最もつまずきやすい点です。
| プラン | 「Let Claude work across files」の初期値 |
|---|---|
| Pro・Max | デフォルトでオン |
| Team・Enterprise | デフォルトでオフ |
設定は、各アドインの Settings にあります。
そしてTeam・Enterpriseの場合は、それより先に組織側の設定が要ります。 オーナーが Organization settings > Office agents で「Let Claude work across apps」をオンにするまで、個人では有効にできません。
「会社のPCでは動かない」と感じたら、まずここです。
導入手順
個人で入れる場合
- Microsoft Marketplaceの 「Claude for Microsoft 365(Excel, PowerPoint, and Word)」 を開く
- 「Get it now」でアドインをインストール
- 各アプリを開き、アドインを有効化して、Claudeアカウントでサインインする
Outlookは別のアドイン(Claude for Outlook)です。アプリをまたぐ機能を使うなら、使う各アプリでアドインを一度は起動しておく必要があります。
対応バージョン
公式に記載されている条件です。
| アプリ | 条件 |
|---|---|
| Excel | Web/Windows(Microsoft 365サブスクリプション、ビルド16.0.13127.20296以降)/Mac(16.46以降、ビルド21011600以降)/iPad(2.51以降) |
| PowerPoint | Web/Windows(Microsoft 365サブスクリプション、ビルド16.0.13127.20296以降)/Mac(16.46以降) |
買い切り版のOfficeでは条件を満たさない場合があります。 バージョン条件は変更されることがあるため、導入前に公式でご確認ください。
組織に配布する場合
管理者は Microsoft 365 管理センター から配布できます。要点だけ挙げます。
- Settings > Org Settings > User owned apps and services で「Let users access the Office Store」がオンになっていることを確認
- Settings > Integrated apps > Add-ins からアドインを検索して配布
- Office Storeを無効にしている組織では、管理者が配布したアドインが表示されないことがあります。その場合はマニフェストXMLを使った配布が案内されています
- 配布は数分で反映されますが、組織全体への展開には最大24時間かかることがあります
現時点でできないこと
導入前に知っておくべき制約です。
- 現在開いているファイルしか読み書きできません
- アドインからファイルを作成・開く・閉じる・切り替えることはできません。 使うファイルとアドインを、自分で開いておく必要があります
- アプリをまたぐセッションのチャット履歴は保存されません
「フォルダの中のファイルを全部処理しておいて」という使い方はできない、と理解してください。それを求めるなら、Claude Coworkのほうが目的に合います。
PR・おすすめValue AI Writer byGMO高品質なSEO記事を生成するAIライティングツール。公式サイトを見る法人導入で確認すべきこと
公式に明記されている、データの取り扱いに関する点です。
- 入出力は、受領・生成から30日以内にAnthropicのバックエンドから自動削除されます(一部例外あり)
- これらのアドインは、組織が設定したカスタムのデータ保持設定を継承しません
- 活動は現時点で、Enterpriseの監査ログ・Compliance API・データエクスポートに含まれません
監査要件がある組織では、ここを先に確認してから配布してください。 管理者は、Microsoft 365 管理センターからメンバーのアクセスを管理できます。
スキルが一緒に効く
Claudeのスキル機能は、Officeの中の作業にも適用されます。
公式の例では、Excelでのモデリング規約を守らせるスキルと、PowerPointのテンプレートに合わせるスキルを用意しておくと、Claudeがアプリごとに正しいほうを使い分けると説明されています。
「社内のやり方」を毎回説明しなくて済む、ということです。
通常のファイル作成との使い分け
Claudeは、Officeを使わなくてもExcel・PowerPointのファイルを作れます。使い分けはこうなります。
| 通常のファイル作成 | Microsoft 365連携 | |
|---|---|---|
| 対象 | ゼロから作る | 既存ファイルを直す |
| テンプレート | 反映されない | 既存テンプレートを守る |
| 出力 | ダウンロードして開く | 開いているファイルが直接変わる |
| プラン | 無料プランでも可 | 有料プランのみ |
新しく作るだけなら通常の機能で足ります。 既存の資料に手を入れるなら、連携が向きます。
Excel作業全般の考え方はExcel作業をAIで効率化する方法、資料作成はAIでプレゼン資料を作る方法、事務作業への広げ方は事務職の仕事はAIでどう変わる?にまとめています。
FAQ
Q. 無料プランで使えますか? A. 使えません。Pro・Max・Team・Enterpriseが対象です。ファイルを作るだけなら、無料プランでもファイル作成機能が使えます。
Q. インストールしたのにアドインが出てきません。 A. 対応バージョンを満たしているかを確認してください。Windowsの場合、Microsoft 365のサブスクリプションと一定以上のビルドが条件です。組織で配布した場合は、反映に最大24時間かかることがあります。
Q. アプリをまたぐ機能が使えません。 A. Team・Enterpriseではデフォルトでオフです。オーナーが Organization settings > Office agents で有効にしたうえで、各アドインの Settings で「Let Claude work across files」をオンにしてください。
Q. 数式は壊れませんか? A. 公式には、数式の依存関係を保ったまま前提値を更新できるとされています。変更は説明付きでハイライトされます。ただし重要なファイルはコピーで試してから本番に使ってください。
Q. 会社のテンプレートは守られますか? A. PowerPointでは、スライドマスターのレイアウト・フォント・色を読み取って生成するとされています。
Q. フォルダの中のファイルをまとめて処理できますか? A. できません。開いているファイルのみが対象で、アドインからファイルを開いたり切り替えたりはできません。
Q. 法人で導入するときの注意は? A. 監査ログ・Compliance API・データエクスポートに活動が含まれない点と、組織のカスタムデータ保持設定を継承しない点を確認してください。
まとめ
- ClaudeはExcel・PowerPoint・Word・Outlookにアドインとして組み込める(有料プランのみ)
- Excelはセル単位の引用と数式の依存関係を保った更新が特徴
- PowerPointは既存テンプレートを守る。一部のスライドだけの修正もできる
- アプリをまたぐ設定は、Pro/Maxがオン、Team/Enterpriseがオフ。まずここを確認
- 開いているファイルしか扱えない。一括処理はできない
- 法人導入では、監査ログ非対応・カスタム保持設定を継承しない点の確認が先
次に読む:ClaudeでExcel・PowerPointを作る方法/Claudeのスキル機能とは?
※対応プラン・対応バージョン・設定項目は変更されることがあります。最新の情報はClaudeの公式ヘルプセンターでご確認ください。
出典
- Claude ヘルプセンター「Use Claude for Excel」(2026年7月26日確認)
- Claude ヘルプセンター「Use Claude for PowerPoint」(2026年7月26日確認)
- Claude ヘルプセンター「Work across Microsoft 365 apps」(2026年7月26日確認)
最終更新:2026年7月26日/fondantAI編集部
