GeminiのCanvasは、文書・スライド・アプリを専用の画面で作って、その場で編集できる機能です。 公式の説明では、Canvasでドキュメント、アプリ、スライド、コードを作成・編集でき、作ったものを音声解説やクイズなどの形式に変換できるとされています。
チャットとの違いは、成果物が会話に流れていかないことです。右側の画面に固定されたまま、会話で直していけます。
この記事の要点
- 直したい部分だけを選んで指示できる。 全文が作り直されない
- 変更は自動保存。前のバージョンにも戻れる
- 作った文書を音声解説・クイズ・インフォグラフィック・ウェブページに変換できる
始め方
公式の手順です(パソコンの場合)。
- gemini.google.com にアクセスする
- テキストボックスの下にある**「ファイルを追加」から [Canvas]** を選ぶ
- プロンプトを入力する
- (任意)ファイルや画像をアップロードする
- 送信する
形式を指定するのがコツです。 公式にも、特定の形式(スライド資料など)を使わせたい場合は、プロンプトにその指示を含めると書かれています。
公式に挙げられている例:
…に関するスライドプレゼンテーションを作成して
…の理解度をチェックするためのクイズを作成して
部分だけを直す
これがCanvasのいちばん実用的な機能です。
普通のチャットで「3段落目だけ直して」と頼むと、全文が返ってきます。どこが変わったか探すことになります。
Canvasは違います。
ドキュメントの場合
- カーソルで、編集したいテキストを選択する
- テキストボックスに、どう変えたいかを書く
- Enterを押す
選んだ部分だけが変わります。
また、テキストを選ぶと**「編集の提案」**が表示されることがあります。それをクリックすると、Geminiの提案がそのまま反映されます。
アプリの場合
Canvasパネル右下の**「選択して質問」**をクリックし、カーソルで編集したいセクションを選んでから指示します。
「全部作り直させない」——これが、時間と品質の両方を守るコツです。
クイック編集
文章の調整には、専用のボタンが用意されています。
| ボタン | できること |
|---|---|
| 長さを変更 | テキストの長さを指定して調整する |
| トーンを変更 | どの程度カジュアル(あるいはフォーマル)にするかを選ぶ |
プロンプトを書かずに調整できるので、細かい詰めが速くなります。
書式は上部のツールバーから編集できます。見出しのスタイル・太字・斜体・箇条書き・番号付きリストが扱えます。
自動保存とバージョン
Canvasの変更は自動的に保存されます。
そして、上部の**「前のバージョン」「次のバージョン」**で、保存したバージョンを表示できます。
「さっきのほうが良かった」を戻せるということです。生成AIで文章を詰めていると必ず起きる状況なので、覚えておいてください。
別の形式に変換する
ここがCanvasの出口の広さです。
Canvasパネル右上の [作成] から、次を生成できます。
| 形式 | 使いどころ |
|---|---|
| 音声解説 | 移動中に内容を聞く/耳で確認する |
| クイズ | 理解度の確認、研修 |
| インフォグラフィック | 要点を1枚にまとめる |
| ウェブページ | そのまま見せられる形にする |
| カスタムのビジュアル・アプリ | 説明を書いて自由に作る |
なお、この機能は現時点で18歳以上のユーザーが対象とされています。音声解説の詳しい仕様はGeminiの音声概要とは?にまとめています。
「文章を書く」で終わらないのが、この機能の価値です。 同じ内容を、相手や場面に合わせた形に出し直せます。資料作成の考え方はAIで資料作成する方法、プレゼン資料はAIでプレゼン資料を作る方法、資料づくりが業務の中心にある職種の変化は事務職の仕事はAIでどう変わる?にまとめています。
アプリを作る場合
Canvasではコードも扱えます。使う人は限られますが、要点だけ挙げます。
- 右上の [コード] でコードを直接編集できる
- コンソールを表示すると、エラーやログを確認できる
- **「最近の変更を表示」**で、コードの差分を確認できる
- Gemini機能を追加(右下)から、テキストや画像の生成といったAI機能をアプリに組み込める(18歳以上のログインユーザーが対象)
数式を含む文書
LaTeX(ラテフ)に対応しています。 学術・科学・技術の分野で使われる文書作成の仕組みで、複雑な数式や表を含む文書を作れます。
- Canvasパネル右上の [作成] → [LaTeX] を選ぶ
- LaTeXを含む文書は、PDFとしてエクスポートできる。ダウンロード前にプレビューも可能
ただし注意点があります。 LaTeXを含むGeminiの回答をコピーすると、レンダリングされていないLaTeXのコードがコピーされます。 そのまま貼ると数式が崩れて見えるので、PDFエクスポートを使ってください。
共有とエクスポート
Canvasパネル右上の [共有とエクスポート] から共有できます。
公開リンク(g.co/gemini/share)をコピーして貼る方式です。メールやチャットに貼れば、相手が見られます。
共有する前に
便利なぶん、確認してから出してください。
- 数値・固有名詞を自分で照合する
- 機密や個人情報が混ざっていないか確認する
- 公開リンクは、リンクを知っている人が見られるという前提で扱う
「作れた」と「出してよい」は別です。
Claudeのアーティファクトとの違い
似た機能に、Claudeのアーティファクトがあります。考え方は近く、出口が違います。
| Gemini Canvas | Claude アーティファクト | |
|---|---|---|
| 変換 | 音声解説・クイズ・インフォグラフィック・ウェブページ | 文章・表・コード・簡易ツール |
| エクスポート | Googleドキュメントに出せる | コピー・共有 |
| 数式 | LaTeX対応・PDF出力 | — |
| 連携 | Googleのサービスとつながる | — |
Googleのツールで仕事をしているならCanvas、という選び方が自然です。文章生成AI全体の比較は文章生成AI比較にまとめています。
なお、文体や手順を毎回指定するのが面倒なら、指示を保存しておくGemと組み合わせてください。Gemで文体を決めておき、Canvasで形にする、という流れになります。
ディープリサーチの受け皿でもある
Canvasは、単独の機能ではありません。
Deep Researchで作った調査レポートは、右側のCanvasパネルに表示されます。 そこから音声解説にしたり、図表にしたり、Googleドキュメントへエクスポートしたりできます。
「調べる→まとめる→形にする」が1か所でつながっている——これがGeminiの設計です。
FAQ
Q. どうやって始めますか? A. gemini.google.com のテキストボックス下にある「ファイルを追加」から [Canvas] を選び、プロンプトを入力します。ログインが必要です。
Q. 一部だけ直せますか? A. 直せます。カーソルでテキストを選択してから指示してください。アプリの場合は右下の「選択して質問」を使います。
Q. 前の状態に戻せますか? A. 戻せます。変更は自動保存され、上部の**「前のバージョン」「次のバージョン」**で切り替えられます。
Q. 作った文書を音声で聞けますか? A. できます。[作成] → [音声解説] です。クイズ・インフォグラフィック・ウェブページにも変換できます(18歳以上が対象)。
Q. Googleドキュメントに出せますか? A. 出せます。[共有とエクスポート]からGoogleドキュメントにエクスポートできます。
Q. 共有はどうやりますか? A. 公開リンク(g.co/gemini/share)をコピーして貼ります。リンクを知っている人が見られる前提で、中身を確認してから共有してください。
Q. 数式は扱えますか? A. LaTeXに対応しています。PDFとしてエクスポートできます。ただしコピーすると、レンダリング前のコードがコピーされます。
まとめ
- Canvasは、文書・スライド・アプリを専用画面で作って編集する機能
- 選択した部分だけを直せる。 全文が作り直されない
- 変更は自動保存、前のバージョンにも戻れる
- 長さ・トーンはボタンで調整できる
- 作ったものを音声解説・クイズ・インフォグラフィック・ウェブページに変換できる(18歳以上)
- Googleドキュメントへエクスポート、公開リンクで共有できる
- ディープリサーチのレポートもCanvasで受け取る
次に読む:Geminiのディープリサーチとは?/Geminiでできること全ガイド
※機能・提供条件・対象年齢は変更されることがあります。最新の情報はGeminiアプリの公式ヘルプでご確認ください。
出典
- Google公式「Canvas でドキュメントやアプリなどを作成する」(2026年7月26日確認)
最終更新:2026年7月26日/fondantAI編集部
