OneNoteの「Copilot」と「Loop」は、名前が並んで語られがちですが、別の機能です。 Copilotはメモを要約したりタスクに変えたりする書き手側の機能で、Loopコンポーネントは同じ内容を複数の場所で同期させる共同編集の部品になります。

そして、使える条件も別々です。 どちらか片方だけが自分の環境で動く、ということが普通に起こります。

この記事の要点

  1. Copilotは要約・タスクリスト化・書き直し・下書き作成ができる。リボンの[ホーム]タブか、キャンバス上のアイコンから呼び出す
  2. LoopコンポーネントはOneNote WebとWindowsデスクトップアプリのみ。モバイルとMacデスクトップは未対応で、組織外の人とは共有できない
  3. 似た名前の「Loop」「Copilotページ」「Copilotノートブック」は役割が違う。公式の比較で使い分けが整理できる

この記事では、Microsoftのサポートページに書かれている内容だけをもとに、それぞれの機能・使える条件・つまずきやすい点を整理します。料金プランそのものの比較はしません。

先に:この2つを使わなくていい人

正直に言うと、次にあてはまる人はこの記事の内容を急いで追う必要はありません。

  • 個人のMicrosoftアカウントでOneNoteを使っている人 — Copilotは Microsoft 365 Copilot のライセンス、またはOneNote for Windowsで対象となるMicrosoft 365サブスクリプションが前提です。Loopコンポーネントは組織内のユーザーのみが使えます
  • 社外の人とメモを共有したい人 — Loopコンポーネントは現時点で組織内限定です。ここは設定でどうにかなる話ではありません
  • iPhoneやAndroidのOneNoteが主戦場の人 — Loopコンポーネントはモバイル未対応と公式FAQに書かれています

このあたりに引っかかる場合は、先に自分のライセンスを確かめたほうが早いです。Copilotのライセンスの違い|自分がどれか確認する方法で確認できます。

OneNoteのCopilotでできること

OneNoteのCopilotは、大規模言語モデル(LLM=大量の文章を学んだAI、くらいの理解でOKです)とノートの中身を組み合わせて動きます。公式に挙げられているのは、大きく3つの方向です。

ノートを理解する

  • 概要を生成する(セクション全体、選択したテキスト、特定のトピック)
  • タスクリストを作成する
  • アイデアを分析する
  • 分かりやすくするために書き直す

新しく作る

イベント計画、プレゼンテーションの概要、会議の下書きなどです。会議の下書きでは、議題・ディスカッションポイント・重要な目標・アクションアイテムといった要素が生成されます。ブレーンストーミングにも使えます。

チャットする

Copilotウィンドウで対話しながら、その場で応答を受け取る使い方になります。

呼び出し方は2通り

リボンの[ホーム]タブにある[Copilot]ボタンを選ぶと、Copilotウィンドウが開きます。これが基本です。

もうひとつが、キャンバス上に出るアイコン。ページ内で右クリックするか、このアイコンをクリックすると、要約・書き直し・タスクリストといったクイックアクションにすばやく届きます。選択したテキストだけをタスク化したいときは、こちらのほうが手数が少なくて済みます。

生成された結果は[コピー]でコピーして、OneNoteや他のアプリに貼り付けられます。

使える条件(ここが一番つまずく)

公式ページの記述はこうです。

項目内容
対応アプリOneNote for Microsoft 365(Windows・Mac・iPad)、OneNote for the web
ライセンスMicrosoft 365 Copilot(Work)ライセンス、またはOneNote for Windowsで対象となるMicrosoft 365サブスクリプション
Web版・Teams版ロールアウト中(順次提供)
必要なもの安定したインターネット接続/Microsoft 365 Copilot Businessサブスクリプション/接続済みエクスペリエンスが有効
使えなくなる条件デバイスでWindows情報保護(WIP)が有効になっている場合

最後の行は見落としがちです。会社のパソコンでWIP(情報の持ち出しを制限するWindowsの機能)が入っていると、ライセンスがあってもOneNoteのCopilotは使えません。「同僚は使えるのに自分だけ出てこない」ときは、ここを疑う価値があります。

なお、Mac版とiPad版、そしてWeb版とTeams版のCopilotは、現在のノートブックページ・アクセスできる他のMicrosoft 365ファイル・インターネットの情報をもとに回答します。セクションやノートブック全体を横断するコンテキストは「間もなく利用できるようになる」と書かれている段階です。「ノートブック全体から探して」と頼んで期待どおりに動かないのは、この差が理由かもしれません。

🔍 編集部の本音 対応表を見ると分かりますが、この機能は「Microsoft 365 Copilotをすでに契約している組織のためのもの」です。OneNoteのためにCopilotを契約する、という順番にはなりにくい。逆に言えば、すでに契約しているのに使っていないなら、これはかなりもったいない。要約とタスク化は、会議メモの後処理をそのまま短縮してくれる部分ですから、まずそこだけでも回してみる価値はあると思います。

Loopコンポーネントとは何か

Loopコンポーネントは、ライブの対話型コラボレーションオブジェクトと説明されています。難しく聞こえますが、やっていることはシンプルです。リストや表やタスクの「かたまり」を作ると、それを貼り付けた場所すべてで中身が同期する。OneNoteに貼っても、Teamsのチャットに貼っても、Outlookのメールに貼っても、見えているのは同じ実体になります。

ノートブックにアクセスできる組織のメンバーは、そのコンポーネントを編集でき、埋め込まれている場所での変更を確認できます。

新しく挿入する手順

  1. 挿入したい場所にカーソルを置く(タイトル内は不可。カーソルがタイトルにないことを確認します)
  2. リボンの[挿入]グループで[Loopコンポーネント]を選ぶ
  3. ドロップダウンから、挿入するコンポーネントの種類を選ぶ
  4. 中身を入力する

既存のコンポーネントを貼るときの落とし穴

ここは公式にも注記があります。Loopのブラウザーのアドレスバーからコピーしたリンクでは、コンポーネントとして貼り付けられません。 ただのウェブアドレスとして扱われてしまいます。

正しい手順は、コンポーネント右上の[リンクのコピー]アイコンを選ぶか、Office.comやLoopアプリで開いた状態で[共有]ボタンからリンクをコピーする方法です。そのうえで貼り付け先でCtrl+Vを押すと、中身が展開されます。リンクだけを貼りたい場合は、[挿入]タブの[リンクの挿入]を使います。

編集中に使える小技

  • スラッシュ(/) を入力すると、@mentionsや日付などを挿入できる
  • 既存のテキストにスラッシュ2つを入力すると、自分に帰属するコメントを追加できる
  • 誰かが同時に編集していると、異なる色のカーソルが見える
  • 右上のアバターで、表示・編集した人が分かる。[アクセス権を持つユーザーの表示]で、一度でも見た人のアバターも確認できる

作ったコンポーネントはOneDriveに自動保存され、Office.comやOneDriveの検索から見つけられます。あとで探しやすいように、コンポーネントのタイトルは分かりやすい名前にしておくのが無難です。タイトルがそのままファイル名として使われる場合があります。

制約は先に知っておく

項目内容
対応エンドポイントOneNote WebおよびWindowsデスクトップアプリ。モバイルとMacデスクトップは未サポート
共有範囲現時点では組織内のユーザーのみ
権限の制限OneNoteノートブックにアクセスできるすべてのユーザーがLoopコンポーネントにアクセスできる。個別に絞ることはできない
表示されない主な理由管理者がオフにしている/組織のWindowsログインを使っていない/未サポートのエンドポイント/古いバージョンのOneNote

3行目が実務上いちばん効いてきます。「このページの、このコンポーネントだけは一部の人に見せたくない」という運用ができません。共有範囲はノートブック単位で設計するのが前提になります。機密度の高い内容を扱うなら、ノートブックを分けるところから考えたほうがいいでしょう。

社内情報をAIに渡すときの考え方は、AIに社内情報を入れていい?|学習させない設定と落とし穴でまとめています。

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Loop・Copilotページ・Copilotノートブックの違い

ここまで来ると、名前が似た3つが気になってきます。Microsoftは比較ページを用意していて、これが一番はっきりしています(最終更新は2026年1月)。

項目Microsoft LoopCopilotページCopilotノートブック
何かリアルタイムのコンポーネントとページを含むコラボレーションワークスペースCopilotの応答から作られた編集可能なキャンバスコンテンツを整理し、文脈に沿ったCopilot利用を可能にするノートブック
AI統合中(一部で対応、深くはない)高(応答をそのまま保存・編集)非常に高い(中身にCopilotが埋め込まれる)
コラボレーション高(共有カーソルでリアルタイム共同編集)中(ページ単位で共有可)低(個別ページのみ共有。ノートブック全体はプライベート)
構造モジュール式(ワークスペースで整理)フラット(各ページが独立)階層(プロジェクト文脈でページ・ファイル・チャットをまとめる)
保存先文脈に応じてOneDrive/SharePoint/SharePoint EmbeddedSharePoint EmbeddedSharePoint Embedded
どこにあるLoopアプリ(loop.microsoft.com)、Teams・Outlook・Wordなどに埋め込みMicrosoft 365 CopilotアプリまたはCopilot ChatMicrosoft 365 Copilotアプリ、OneNoteに埋め込み

選び方はこうなります。

  • 他の人とライブで手を動かす → Loop。チームの計画、タスク追跡、共同編集向き
  • Copilotが出した内容を残して磨く → Copilotページ。下書き、ブレスト、要約向き
  • 複数の資料を集めて、それを踏まえて質問する → Copilotノートブック。調査、オンボーディング、コンテンツ制作向き

そして3つは互いに乗り入れます。CopilotページはLoopの中に表示して編集でき、LoopワークスペースやCopilotノートブックに追加できます。CopilotノートブックはLoop・OneNote・チャットのどこからでも作れて、Microsoft 365アプリ間で持ち運べます。

CopilotノートブックそのものはCopilot Notebooksとは?資料を集めて根拠を絞る使い方で詳しく扱っています。

会議メモに落とすとどうなるか

事務・企画職で一番効きやすいのが、会議まわりです。組み合わせるとこうなります。

Before

会議中に走り書き → 後で読み返して整理 → タスクを拾ってチャットに転記 → 進捗を聞いて手で更新

After

会議中に走り書き → Copilotに要約とタスクリストを作らせる → タスク部分をLoopコンポーネントにしてTeamsに貼る → 各自がチャット側で更新すると、OneNote側にも反映される

転記が消えるのと、「どっちが最新か」問題が消えるのが効きます。Teams側の会議要約とあわせるなら、TeamsのCopilotで会議を要約する方法も見ておくと流れがつながります。

ただし、Copilotの出力はそのまま信じないこと。公式にも「生成AIによる応答が100%事実であるという保証はない」「他のユーザーに送る前に、出力を確認するにはユーザーによる判断が必要」と明記されています。制限として挙がっているのは、不正確さと無関係な提案、与えられた文脈を超えた認識の欠如、学習データに含まれるバイアスの3つ。送る前に読む、これだけは省けません。

よくある質問

Q. CopilotとLoop、どちらから使い始めればいいですか? A. Copilotからで問題ないと思います。Loopコンポーネントは共有相手がいて初めて価値が出る機能なので、ひとりで試しても手応えが薄いです。まず自分のメモを要約・タスク化して、効くと感じたらチームに広げる順番が自然でしょう。

Q. 日本語でも精度は出ますか? A. 公式には「多くの言語で利用できる」としつつ、「入力が英語の場合は他の言語より品質が高いことが予想される」と書かれています。他の言語も時間とともに向上するとの記述はありますが、現時点で差があることは公式が認めている、と読むのが正確です。

Q. 中立を掲げているのに「使わなくていい人」を先に書いて大丈夫なんですか? A. そこを飛ばすほうが不誠実だと考えています。この2つの機能は条件がはっきりしていて、条件を満たさない人が読んでも時間の無駄になります。fondantAIはMicrosoftとも他のAIサービスとも利害関係を持たずに書いていますので、合わない人には合わないと先に言います。

Q. Loopコンポーネントを社外の人と共有する方法はありませんか? A. 公式FAQには「現時点では、Loopコンポーネントは組織内のユーザーのみが使用できます」とあります。設定で開けるという記述はありません。社外共有が必要なら、別の手段を検討することになります。

Q. リボンに[Loopコンポーネント]が出てきません。 A. 公式が挙げているのは4つの理由です。管理者がオフにしている、組織のWindowsログインではなく個人アカウント等でサインインしている、未サポートのエンドポイント(モバイル・Macデスクトップ)を使っている、古いバージョンのOneNoteを使っている。この順に確認するのが早いです。

まとめ

  1. Copilotは「書く側」、Loopコンポーネントは「共有する側」。別々の機能で、使える条件も別々です
  2. Loopコンポーネントの制約は先に確認する。Web・Windowsデスクトップのみ、組織内限定、権限は個別に絞れない
  3. 似た名前の3つは役割が違う。ライブ共同編集ならLoop、Copilotの出力を残すならCopilotページ、資料を集めて質問するならCopilotノートブック

自分の環境で何が使えるかが分からないときは、まずライセンスの確認からです。Copilot全体でできることを先に見渡したい場合はCopilotでできること全ガイド、事務職の仕事の中でどう効いてくるかを知りたい場合は事務職の仕事はAIでなくなる?が近い話をしています。

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